末期症状

　一人暮らしの時代はとうに終わり、自分の世界というものが消失し、
同時に思うように写真が撮れなくなってしまった。
大学の卒業直前は、イメージがホイホイ涌いてきて、
面白いようにそのイメージ通りの写真が撮れていた。
いまでは写真が撮れないどころかイメージすら浮かんでこない。
昔の写真を見ても、悲しいことに自分の撮った写真とは思えないくらいだ。
最近は部屋の中で空シャッターを切ってうっとりしている、
つまり「写真が趣味」ではなくて「カメラが趣味」という、情けない状況になりつつある。
これは極めてヤバい。

ということで、とにかく写真を撮りに行ってきた。
「とにかく撮る」ために、機動性を重視し、久しぶりに35mmの
カメラに、珍しく400のフィルムだ。

マシな写真はこの2枚だけだった・・・
しかも両方鉄じゃないか。
これは終わってるな


 

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散財

　この春の話だが、今後自由に金を使えなくなるだろうと思って（これまでも不自由だったが）、
思い切って買った。
HASSELBLAD 503CX + CF Planar 80mmF2.8だ。
500C/Mか503CXか、CレンズかCFレンズかで猛烈に迷った。
大阪の某店で、めぼしい500C/MとCレンズがあったので、
一応チェックして他の店を回って、次の日に買いに行ったら定休日だった。
まぁこれも運命ということで、第二候補の503CXになった。

　しかし恐ろしくピントの山がつかみにくい。
これまででは考えられないほどピンボケ写真を量産している。
眼鏡より、度の強いコンタクトをつけた状態だとマシになるが、
もともと僕はマット面でピントを合わせる習慣がないので、
アキュートじゃなくていいからスプリットのあるスクリーンが欲しい・・・
いやディスタゴンもそのうち必要か、ポラバックなんてのも面白そうだ。
それより先に露出計か。
じつは単体露出計を持っていないので、今のところモノクロ専用になっている。
しかし金がかかるな。
以前、伯父の「ローライ欲しい」発言に対し、
僕が「レンズ交換すら出来ないのになぜ魅力があるのか、やはりハッセルでしょう」と答えると、
「いや、そこがいい」と伯父は返した。
いまその意味が分かった。
人生の先輩はよく分かっていらっしゃる。

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ピーターパン

　前回の更新からすこし時間が開いてしまいましたが、
ここ一月で、もう若さあふれる20代でも、自由気ままな独身でもなくなってしまった。
人生終わったような気分だ。
世間に後ろ指を指されようとも、もうすこしピーターパンでいたかったが、そうも行かなかったようだ。































20代最後の写真
2008.12.31

奉還町

　三日目は特に目的はないけど、
帰りに例の昭和丸出し商店街・奉還町商店街に寄った。
なんだか今日は店がたくさん開いてるぞと思ったら、月曜日だった。
ここは日曜定休の店が多いらしい。
また、前回来たときは無かった、新しい店も出来ていた。
いつ来ても面白い奉還町商店街。
「昭和レトロで町おこし」なんて野暮なことはせずに、
ずっとこのままでいてほしい。


























強制労働
（前回の訪問にて）
2007.11

さらば第6ビル

　次の日は久々に高松に行った。
国道フェリーの乗り場にコンビニが出来ていて、着いていきなりやるせない気分になった。
駅へ向かって歩き始めたが、駅の向こうに見えるはずのものが見えない。
嫌な予感がして行ってみると、
なんとあの住みたいとまで思った労住協第6ビルが取り壊しの真っ最中だった。
このビルは団地じゃないけど僕の団地写真シリーズの最初の物件だ。
結局ここで最初に撮った写真を超える写真をまだ撮れないでいる。
団地といえばもう１軒、いつ壊されてもおかしくない団地があるが、
寒いし暗くなりはじめていたので行かなかった。

（つづく）





























　2004.1